全国では、17歳男児に性的行為が2件
女性職員が入所者と性的行為をするというケースは、過去にもあったのか。
大阪府の子ども室では、2009年から虐待事例の発表を始めているが、府内ではこれまでになかったという。
全国的には、数は少ないが、同様なケースはあった。厚労省の統計によると、社会的養護関係施設における性的虐待は10年度に9件あったが、その事例を見ると、少なくとも2件は女性職員のケースだった。どちらも児童擁護施設で、1つは、女性職員が17歳男児の求めに応じ、金銭を渡したうえ、みだらな行為を行った。また、もう1つの方では、女性職員が深夜、17歳男児の部屋で性的な行為を行っていた。
性的虐待は、09年度に7件、11年度に1件あったが、女性職員のケースは確認されていない。
一方、文科省によると、公立の小中高、特別支援学校では、女性教職員が男児にわいせつな行為などをして懲戒処分を受けたのは、10年度が168人中で3人、11年度が170人中で1人だった。まだ部分的にしか分からないが、社会的養護関係施設の方が女性職員の割合が多くなっている。親がいないなど、弱い立場の男児の方が、性的虐待が多い可能性はあるかもしれない。
なお、今回のケースでは、男子高校生に処罰感情はないといい、警察に被害届も出さないという。大阪府の青少年健全育成条例では、強要がないと性的行為を処罰できず、警察の捜査は行われていないようだ。