RCEP多国間協議で主導権握り 中国けん制しようという日本の思惑

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TPPで米国が東アジア経済圏の主導権握ることを中国は恐れる

   日本はRCEP交渉を、TPP交渉と並行して進めて、RCEPの主導権を握り、中国の譲歩を引き出したい思惑もある。「中国がRCEPに前向きになっているのは、TPPによって米国が東アジア経済圏の主導権を握ってしまうことを恐れているから」(政府関係者)との見方が一般的だ。TPP交渉が進展するほど、中国の焦燥は強まるとして、経済産業省などはTPPとRCEPの二正面作戦の交渉の意義を盛んに強調する。

   ただ「RCEP締結は一筋縄ではいかない」(政府関係者)のも事実だ。RCEPは日本などの経済大国から、カンボジアやラオスなど後発の途上国も参加し、政治的、経済的、社会的にも多種多様な国々が集まるだけに、高いレベルで交渉をまとめられるかは未知数なのだ。

   また、日本自身がTPP交渉で農産品などをめぐり苦しい立場に立たされる可能性もある。そうなれば、TPPをテコにRCEPで主導権を握り、中国をけん制しようという戦略も、絵に描いた餅に終わりかねない。

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