JAL、東電、伊藤忠…… 女性役員も続々
女性役員の登用も増えている。日本航空は客室乗務員出身の大川順子氏が2013年4月1日付で専務執行役員に就任。6月の株主総会後の取締役会で正式に取締役に就く。
東京電力も、福島第1原子力発電所事故の損害賠償を担当する佐藤梨江子グループマネージャー(課長級)を4月1日付で執行役員に登用した。佐藤氏は48歳。内部昇格者としては過去最年少の役員だ。伊藤忠商事でも、46歳という若い、池みつる氏が執行役員法務部長に就任した。
三菱UFJフィナンシャル・グループは、早稲田大大学院ファイナンス研究科教授の川本裕子氏を取締役に起用するし、パナソニックは元経済財政担当相で安倍政権の規制改革会議で議長代理を務める大田弘子・政策研究大学院教授が6月の株主総会で社外取締役に就くことが決まっている。
どれも「初めての女性役員」だ。
こうした動きを、国も後押ししている。きっかけは、民主党政権当時の2012年6月から取り組んでいる「女性の活躍による経済活性化~働くなでしこ大作戦~」。女性管理職を2015年度に10%程度、2020年度までに30%にまで引き上げていくことを目標にしている。
東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部の渥美由喜部長は、「女性の役員や管理職を増やすことについて、これを数値目標として公表することは社内的に反対の声もあり、企業は消極的でした。それが最近は対外的に公表したほうが消費者や株主にアピールでき、CSR(企業の社会的責任)の視点からメリットが大きいと判断するようになったといえます」と話している。