ドコモ、エクスペリアとギャラクシー「優遇」 不人気メーカーの再編進むか

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「iモード」利用者をスマホに移行させられるか

   ドコモは「番号持ち運び制度」(MNP)で苦戦続きだ。2012年度では累計で過去最大の140万9500件が、競合するKDDIやソフトバンクモバイル(SBM)に転出している。「iPhone効果」で新規顧客数を伸ばす2社をしり目に、2012年11月と2013年1月は、解約数が契約数を上回る「純減」まで記録した。契約数6000万件のドコモといえど、今後も転出が続いて新規獲得が頭打ちともなれば、業界首位の地位は危うくなる。

   実はドコモの一部国内メーカー製スマホには、インターネット上で芳しくない評判がたっている。製品口コミサイトなどで「不具合だらけ」と故障状況が克明に書かれていたり、店員と称する人物が顧客から続々とクレームが入った話を披露したりしている。内容の信ぴょう性がどこまで高いかは不明だが、この種のうわさが増えれば、企業イメージの低下は避けられない。

   今回の「ツートップ戦略」のねらいとして、既存顧客に値引きなど手厚い優遇策を打ち出すことで、今も3000万件を超える「iモード」利用者を自社のスマホに移行させられれば、それだけで利益増につながると木暮氏。MNPで他社からの「顧客引き抜き」にばかり注力しては、販促費の負担が増すだけでなく既存客からの不満が高まり、デメリットも生じる。そのため、言わば「ドコモ離れ」を防ぐための「守り」を重視した戦略をとったように見える。

   一方で、従来のメーカー横並びを改めた点は大きな変化だ。それだけ危機感が募っていたともとれる。今回の結果次第では見切りをつけられる国内メーカーが出てくる可能性を指摘する専門家もいる。

   木暮氏は「そもそもドコモのような通信キャリアは、良質なネットワークの提供に集中すべき」と考える。端末はメーカーが責任を持ち、ヒット商品が出せなければ淘汰されても仕方がない、というわけだ。「ツートップ戦略」でメーカー再編が加速するなら、むしろ意義は大きいと話す。

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