北朝鮮、体制不安で態度軟化? 開城工業団地の対応「慎重に検討中」

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中国国営銀行との取引停止が効いている?

   5月上旬~中旬には、北朝鮮の政権に大きな影響を与えた可能性がある出来事が、少なくとも3つ報じられている。

   ひとつが、中国との関係だ。5月10日時点で、中国銀行を含む中国の4大国有銀行が、北朝鮮最大の外資決済銀行「朝鮮貿易銀行」との取引を停止したことが明らかになっている。開城工業団地が閉鎖されれば北朝鮮は多額の外貨収入を失うことになるが、この影響を再評価せざるを得なくなっている可能性がある。

   二つ目が、人事異動。5月13日の朝鮮中央通信の報道では、12年10月に就任したばかりの金格植(キム・ギョクシク)人民武力相(国防相)が解任され、張正男(チャン・ジョンナム)氏に交代したことが明らかになっている。解任された金格植氏は韓国哨戒艦「天安」沈没事件と10年の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件を主導した強硬派として知られている。北朝鮮が何らかの理由で軟化路線に転じた結果、今回の人事が行われたとの見方も出ている。

   三つ目が、女性警察官に「英雄称号」が贈られたことだ。この警察官は、正確には「平壌市人民保安局交通指揮隊地区隊隊員」という肩書きで、5月5日の朝鮮中央通信では表彰の理由を

「首都の交通秩序を立てるために献身的にたたかい、不意の状況の中で領袖決死擁護の英雄的犠牲精神を発揮して革命の首脳部の安全を決死防衛した」

と報じている。このことから、金正恩第1書記をはじめとする政府首脳に重大な身の危険が迫ったが、それを直前で回避したとの説もあり、権力基盤の不安定さが露呈したと見る向きもある。

   これらに「飯島訪朝」も重なり、これまでのような強硬姿勢を見直そうとしているのではないかとの観測が出始めている。

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