残るは新生銀行だけ
発表によると、預金保険法に基づく優先株4500億円のうち、3000億円を今年度中に買い入れて償却し、残りは5年以内に返済。普通株2616億円は年度内に1000億円を自社株買いし、残りは預保に年度内に売り出しを要請する。実質国有化の前に注入された1600億円の優先株は、普通株への転換期日を5年後に延長し、その間に特別優先配当として毎年320億円ずつ支払い、5年で完済する。
公的資金を巡っては、やはり株高を背景に三井住友トラスト・ホールディングスが今年3月に残る2004億円を完済。これにより公的資金が残るのは新生銀行、あおぞら銀行、千葉興業銀行の3行で、あおぞら、千葉興銀は返済計画を公表しており、返済の見通りが立たないのは新生銀行(2169億円)を残すだけになる。1990年代後半から2000年代前半にかけて約12兆4000億円投じられた公的資金はほぼ回収のめどがついたことになる。