サッカー、Jリーグ開幕20周年記念試合となった浦和対鹿島戦で、ゴール判定をめぐり騒動が起きた。浦和の得点に鹿島の選手は「反則があった」と猛抗議。スタジアムの大型ビジョンで流されたゴールシーンのリプレー映像で「確認」したことで、「誤審」の疑惑が増幅される格好となった。
後日、日本サッカー協会(JFA)はこういった映像につき「混乱を招く可能性がある」として流さないよう要請したという。微妙なプレーでは「ビデオ判定」に頼る球技もあるが、サッカーは事情が異なるらしい。
プロ野球では、本塁打に「ビデオ判定」を導入
JFAは2013年5月14日の会見で、11日の浦和-鹿島の試合で後半33分、浦和のFW興梠慎三選手が決めた得点について「誤った判定だった」と誤審を認めた。ゴールの瞬間、相手の鹿島の選手たちは一斉に手を挙げて「オフサイド」をアピールしていた。会場の埼玉スタジアムの大型ビジョンにこの場面が流されたため、審判に抗議した鹿島の選手やファンは「やはり反則だ」と不信感を募らせた。それでも判定は変わらず、鹿島は試合に敗れた。
会見の席で審判委員長の上川徹氏は、得点シーンが競技場の大型ビジョンで流された点を問題視したという。微妙な判定の際は混乱を招く恐れがあり、Jリーグに映像の自粛を求めたそうだ。
だが難しい場面こそ映像に頼った方が、正確なジャッジにつながるのではないか。例えばプロ野球では、本塁打の判定に「ビデオ判定」を導入している。米プロフットボールのNFLでは、主審の判定に異議がある場合、自軍のタイムアウトの権利1回分をかけて録画映像の確認を求められる。これにより判定が覆るケースもある。