円相場は「適正水準」超えたのか 年内に1ドル=110円の観測強まる

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新興国を巻き込んだ通貨安競争が始まる?

   今後の円相場の鍵を握るのは、日銀の金融緩和よりも米国経済の動向のようだ。「ドルはユーロや豪ドルに対しても堅調に推移しており、円安が進みそうなムードが漂っている。だが1ドル100円超の水準が定着するには、米国景気の持続的な回復を確認する必要がある」(みずほ証券投資情報部)という。

   米国景気のほかにも気になることはある。5月に入り、ECB(欧州中央銀行)に続き、豪州、インド、ベトナム、韓国など新興国が相次ぎ追加利下げに踏み切った。「4月から日本円の独歩安が進み、各国通貨には相対的に上昇圧力が働いている」(市場関係者)との懸念が強く、とりわけ韓国では円安の裏返しでウォン高が進み、輸出産業に危機感が広がっているという。

   先のG7は「通貨安競争の回避」で一致したが、市場では早くも新興国を巻き込んだ通貨安競争が始まったとの見方が出ている。

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