リーマン・ショック前の円相場は1ドル96~112円
果たして円安はどこまで進むのか。市場では「2008年のリーマン・ショック以降の超円高の反動と理解するなら、年内に1ドル110円近辺まで戻してもおかしくない」(第一生命経済研究所)との見方が強まっているようだ。リーマン・ショック前の2008年1~9月の円相場は1ドル96~112円だった。
一方、日米両国の物価を比較した日米購買力平価でみると、1ドル80円台半ばが適正水準との試算もある。また、日本の輸出シェアと実質実効為替レートで試算すると、1ドル90円台前半となり、1ドル90円超の円安になると、名目国内総生産(GDP)に占める原油・天然ガスなどエネルギーの輸入コストの割合が2008年の水準を超え、内需産業や個人消費を圧迫するという。このため、「円相場は1ドル95円前後が適正で、100円超の円安常態化は国際的に容認されない」(大手シンクタンク)との見方もある。