未来型自動車の本命は「燃料電池」でなく「水素」? 熱効率50%超えめざしトヨタなど開発進む

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吸排気損失もない理想的な内燃機関

   水素の大きな特徴は、炭素と無縁であるために自動車の二酸化炭素(CO2)フリー化が実現できること、さらに希薄燃焼が得意で着火範囲が広いといった性質から、圧縮比を高め、ポンピング(吸排気)損失もない理想的な内燃機関をつくれる。その一方で、分子量はメタンの8分の1と小さく、容積が限られたエンジン気筒内で爆発させてパワーを得るには、瞬時に大量の水素を気筒内に供給しなければ、エンジンとして成り立たない。

   そこで注目されたのはディーゼルエンジンの排出ガス低減のために登場したコモンレールなど超高圧噴射型燃料供給装置で、東京都市大では2000年ごろからコモンレールを採用し、水素燃料の高圧筒内噴射による高効率な水素エンジンの開発を進めてきた。現在では超高圧筒内直接噴射の水素エンジン開発が主流で、FCV開発とともにトヨタ自動車、ホンダ、BMWなど世界の大手自動車メーカーで水素エンジン自動車の開発が続いている。

   トヨタ自動車は2005年前後からコモンレールを採用したエンジンで正味熱効率51%を目標に研究開発を進めてきている。09年には熱効率で44%を達成し、熱効率で50%超の目途をつけたとされる。

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