兄の「同志」ビル・ゲイツ氏の資産は7兆円
ジャスダックに上場するガンホーの2013年5月14日の株価終値は、前日より20万8000円高い155万円だった。最近の同社株価は連日値を上げており、この日は時価総額がおよそ1兆7851億円に達してゲーム会社の老舗、任天堂や楽天を追い抜いた。同社株式を、泰蔵氏が仮に3割近く有しているとすれば、どれほどの資産に達するかは「推して知るべし」だろう。
そのガンホーの親会社は、今ではソフトバンクだ。3月25日の発表をみると、泰蔵氏の資産管理会社ハーティスが保有する株式について、4月1日以降は孫社長の指図するところに従って議決権を行使することに合意したとなっている。これにより、ソフトバンクBBが持つ株式33.69%と、議決権行使が可能となったハーティスの14.5%で割合が過半数を超えるため、ガンホーはソフトバンクの連結子会社となった。さらにSBMがTOBで取得した6.37%も加わった。孫兄弟が、絶好調のゲーム会社のかじ取りを実質担っているというわけだ。
泰蔵氏は以前ブログで、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が兄の孫社長を同志と評価して、「お前は俺と同じくらい偉大なリスクテイカーだな」と賛辞を送ったエピソードを明かし、自分もいつか大きな志の実現のためにリスクをとる勇気を持って立ち向かいたいと書いていた。そのゲイツ氏は、ブルームバーグの長者ランキング2位で、純資産717億ドル(約7兆2417億円)となっている。孫兄弟がいつの日かゲイツ氏を抜き去って、世界のワン、ツーを独占する日がくるだろうか。