中国で社会保障費なども含めた人件費が過去3年間で6割以上上昇したことがわかった。日本経済新聞が2013年5月14日に報じた。中国の1人あたりの人件費は、2012年は6734ドル(約68万3500円)で、09年の4107ドルから64%上昇した。09年の時点では中国はタイの4449ドル、マレーシアの4197ドルよりも低かったが、逆転した。
1人あたりの人件費はリーマン・ショック直後の2009年から12年のあいだに、経済成長や通貨高を背景にタイやマレーシアを上回り、アジアの新興国の中で最高水準となった。
人件費の上昇に伴う消費拡大は中国の内需を狙う企業には追い風だが、生産拠点の優位性は揺らぐ。日本企業が人件費のより低いベトナムやミャンマーなど東南アジアに生産拠点を移す流れが加速しそうだ。
日本貿易振興機構(JETRO)がアジアに進出している日系企業を対象に集計し、基本給や社会保障、残業代、賞与など工場で働く従業員1人あたりの年間の総合的な人件費の平均値を算出。日本経済新聞社がこれを基に分析した。