尖閣奪取目的? 国内の不満そらす狙い?
産経新聞は、2013年5月10日付社説で、その背景に中国の尖閣領有権主張があると指摘した。そこでは、「軍事力を背景に尖閣の奪取を狙って、沖縄全体を国際社会向けの『世論戦』の材料にする揺さぶり戦術の可能性もある」と言っている。
一方、TBS系の「朝ズバッ!」では13日、様々な専門家の見方を紹介した。
海洋政策に詳しい東海大の山田吉彦教授は、「土地の取り合いというよりも、海の取り合いに入った」との考えを示した。
「沖縄を領土として獲ることができないにしても、紛争地域として扱うことによって、自由に艦船を動かすこともできる。日本というのは、近隣国、アジアの国々にとって非常に脅威なんですね」
これに対し、中国の国内で政府への不満を訴えるデモが頻発するようになってきた国内事情があるとする見方もあった。中国情勢に詳しいフリージャーナリストの富坂聰(さとし)さんは、海の取り合いについても、国内向けの顔が非常に重要になっていると番組で解説した。
「負けたっていうことになるとですね、政権が持たないという事情を抱えてるんですよ。中国は、今はもうその権力が下に行っちゃっているので、いわゆる本当に民意の動向というのをすごく気にしているわけです」
沖縄について、富坂さんは、国際的には中国のマイナスになるので、尖閣のようなトラブルにはならないとしながらも、中国の戦略に乗らないためにとして、こう忠告した。
「沖縄の人たちが本当に独立すると言い始めたときが、けっこう大変な問題なんで」