中国メディアが沖縄に対する中国の領有権を示唆し、沖縄独立勢力の扇動まで中国政府に提案したことが分かった。これは、中国が何らかの目的で日本に揺さぶりをかけてきた現れとみられている。
沖縄を巡っては、中国共産党の機関紙「人民日報」が、中国の領有権を示唆する専門家の論文を2013年5月8日に掲載したばかりだ。今度は、その国際版「環球時報」が、さらに踏み込んだ社説を11日に配信した。
独立論に便乗して中国領有権を主張か
環球時報の社説では、領有権について再び議論できるとした人民日報掲載の論文に触れたうえで、中国は3つのステップで議論を進められると指摘した。
まず1つは、沖縄独立について、それを支持する民間組織を設立したり、研究や議論を開放したりすることで、日本の不法占拠を世界に知らせることだという。2つ目は、日本の姿勢を見たうえで、領有権について、中国政府が明言しなかったこれまでの態度を改め、国際的に問題提起をすることを挙げた。そして、最後の3つ目として、日本がそれでも敵対するなら、中国は沖縄独立の勢力を育成するべきだと主張した。
3つ目のステップは、中国が2、30年後に力を付ければ、決して幻想には終わらないとしている。
沖縄では、米軍基地問題などで犠牲を強いるとして本土への不満が強く、最近は、独立論を唱える動きも地元で高まっている。沖縄タイムス紙は、中国の領有権主張は暴言だとしているものの、10日付の記事では、沖縄県を設置した1879年の「琉球処分」は武力で併合したものだと、人民日報の主張の一部に同調した。環球時報は、こうした動きを踏まえたうえで、独立勢力を扇動することで中国の領有権を将来的に実現できるはずだと説いたらしい。
中国は以前、日本の領有権を認めていたと報じられているが、なぜここに来て態度を変えようとする動きを見せ始めたのか。