「フジ三太郎」作者サトウサンペイさんインタビュー
「吉永小百合さんにお酌してもらった」「アレー、顔見てないよ」

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小百合さんと趣味が一緒!

池ちゃん サンペイさん、うれしさがこぼれ落ちそうな笑顔だ。
サンペイ そうかなあ。ぼくは、男女共学じゃなかったでしょ。女性に対しておびえてしまうところがあって(笑)、目の前に、世にも稀なきれいなふわーっとした人がいたら、前を見られないよ。あのとき、お酒もろくに飲んでないねえ。
池ちゃん そうか、サンペイさんのそういうところに女性が参っちゃうのかなあ。カッコもつけてるんじゃない? 「いやあ、まさに春らんまんですなあ。春宵一献値千金…。しかし"サクラの下はただ男ばかり"という詩もある。いまはにぎやかに話しあっていても、終わればまた別の世界…もう一生会えないかと思うと、ああむなしいなあ」だって。ハハハ。
サンペイ うそ! そんなこと、おれ言ってない。そのとき、小百合さんは「ホホホ」と笑って、「サンペイさんって詩人ですのね。どうぞ。おあけになって」と言ったんだ。
池ちゃん そうかなあ……。この後もいいじゃない。
   「私、夕日くんのファンなんです」「時間がもったいないから漫画の話はやめましょう」だって。カッコイイ。
   「仕事とスキー以外は何が好きですか?」「旅行です」「あれー、ぼくと一緒だ。また趣味一緒だ!」だって。かなり舞い上がっている、舞い上がっている。
サンペイ 舞い上がったんだろうと思う。その証拠にね、対談の後の独白を読めばわかる。対談は目白の「蔵」という日本料理の店でやったんだけど、お酒もそんなに飲んでない。料理だって、たくさん並んでいるのに、ぼくは2品食べただけ、吉永さんは3品だった。見るべき点は見ている。
   対談の後、編集関係の人と新宿の居酒屋で飲み直した。お店で、小百合さんと握手したからおしぼりはいらないよ、手はしばらく拭かないから。酒は甘口ね、山かけちょうだい、ハマグリ焼いてちょうだいなんて、いつもの調子でやりながら、対談の感想を聞かれた。
「吉永さんの服、ボタンがたくさんついていましたね」
「エッ? おれ、それ見てない。服の色は全部黄色だったね」
「靴下は黒でしたね」
「あれ、それも見てない。まてよ、おれ、吉永さんの顔は1秒以上見てなかったんじゃないかな。アレー、顔見てないよ」
池ちゃん あはは、サンペイさんらしいのかなあ。でも、そういうことって、あるなあ。フジ三太郎の連載が10年、15年と節目を迎えたときに、朝日新聞で特集が組まれました。確か、吉永さんは15周年のときにメッセージを寄せています。
「10年ほど前、対談で作者とお会いしました。よくお話しになる、本当に楽しい方でした。それ以来、毎朝、サトウさんと三太郎さんをダブらせて、一人でクスクスと笑っております」 とありますよ。
サンペイ その後、テレビの対談に2回招かれた。後のほうは、結婚発表の直前だった。相手の岡田太郎さんはぼくと同い年。ならば、おれにも可能性があったんだあ。

   この後、吉永さんの笑いを誘ったひとり旅の話をたっぷり披露しています。電子書籍『フジ三太郎とサトウサンペイ』(https://www.j-cast.com/santaro/)第13巻は5月10日から発売中です。

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