高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定見直しへ 10年余も候補地決まらず、政府主導方式に?

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12市町村が「検討」などと報道されたが、正式な応募には至らず

   その最終処分場の選定が全く進んでいないから深刻だ。特廃法では、経産省の認可法人「原子力発電環境整備機構(NUMO)」が全国の市町村の応募を受け付け、選定作業を進めることになっている。応募の中から、NUMOが過去の地震の記録など文献の調査からボーリング調査、地下施設の調査など三段階の調査を行い、2010年代前半に候補地を絞り込み、2028年前後には建設地を選定する予定だった。

   ところが、2002年12月に始まった最終処分場の公募は、高知県東洋町が2007年1月に正式に応募したものの、議会や住民の反発を招き、町長選を経て同4月には応募を取り下げた。資源エネルギー庁によると、これまで福井県和泉村、高知県佐賀町、熊本県御所浦町、鹿児島県笠沙町、長崎県新上五島町、滋賀県余呉町、鹿児島県宇検村、高知県津野町、長崎県対馬市、福岡県二丈町、鹿児島県南大隅町、秋田県上小阿仁村の12市町村が「応募検討」などと報道されたが、住民の反対で正式な応募には至らなかった(市町村名は2003~07年の報道当時)。

   安倍晋三首相率いる自民党政権は、使用済み核燃料を再処理して活用する核燃料サイクルを堅持する姿勢を崩していない。このため経産省は民主党政権の脱原発路線を改め、再び原発推進に回帰しようとしているが、処分地選定の遅れに焦りを隠せない。最終処分地選定の見直しでは政府が大きく関与する方向に転換する可能性が高い。

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