「子どものことしか話題がない」のはいい夫婦関係とは言えない
「これは、、、、お母さん可哀想やろ」――。もちろん、一方では批判的な声もある。社会学者の松原隆一郎・東京大学大学院教授も2013年5月24日号の週刊ポストで、「あれは妻に対する人権侵害でしょう? あの夫婦を見て感動する人が多いということは、それだけ会話のない、不自然なコミュニケーションをしている夫婦が多いということでしょう」と指摘している。
明治安田生命の「いい夫婦の日」に関するアンケート調査によると、「夫婦円満の秘訣」として、8割近くの人が「よく会話すること」をあげている。
しかし、「誤解だらけの夫婦の心理学」の著者で目白大学社会学部教授の渋谷昌三氏によれば、「子どものことしか話題がない」「事務的」「ものわかりがよすぎる」といった会話内容では「必ずしもいい関係とはいえません」と話す。
会話はないよりあったほうがいい。とはいえ、23年間も口をきかないかどうかは別にして、「真に会話のある夫婦」というのは案外少ないのかもしれない。