財務省が2013年5月10日に発表した12年度の国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービス、投資などの取引を示す経常収支は前年度より43.6%減の4兆2931億円となった。黒字幅は現行の統計がはじまった1985年以降で最低で、ピークの2007年度の5分の1以下に落ち込んだ。
貿易収支は過去最大の6兆8947億円の赤字。赤字幅が前年度より3兆4250億円も拡大した。内訳は、輸出が61兆5703億円で、前年度に比べて1.7%減。輸入は68兆4650億円と3.6%増加した。景気が低迷する欧州や中国向けの輸出がそれぞれ10%前後減少。一方で、輸入は原子力発電所の停止に伴い液化天然ガス(LNG)の輸入が約15%増えた。原油価格の上昇も響いた。
また、旅行や運送などのサービス収支は2兆5812億円の赤字で、こちらも赤字幅が前年度に比べて7545億円拡大した。
一方、海外投資から得られる利子や配当などの状況を示す所得収支は前年度に比べて5.1%増えて14兆7245億円の黒字だった。配当金の受け取りが増えたことによって、証券投資収益が増加した。