「削除認められるのは相当困難」と専門家
実際、店側がこうしたケースで削除を認めさせることはできるのだろうか。ネットの誹謗中傷・名誉毀損問題に取り組む、弁護士法人港国際グループの最所義一弁護士は、あくまで一般論としつつも、削除などを求めることは「難しい」との見解を示した。
最所弁護士によれば、削除が認められるためには、利用者によるクチコミが「違法」であることが条件になる。それには投稿に公共性あるいは公益目的がないこと、あるいは投稿自体が虚偽であることが認められる必要があるが、前者はレビューサイトという性格上まず難しく、後者も、
「『美味しくなかった』というような個々人の主観にかかわる意見の場合には、やはり相当困難だと言わざるを得ません。このような意見の場合には、意見の根拠とされる事実そのものが虚偽であるか、表現方法が一般の人が見ても、酷いと思える程度のものでなければなりませんから、現実的には、『美味しくなかった』というような表現があったとしても、その削除を求めることは難しいと思います」(最所弁護士)
「ライバル店による嫌がらせ」なら公益目的に反することを理由に、違法性を問える可能性は出てくるものの、その場合でも立証はかなり困難だという。