サムスン、為替変動リスクへの対応で「先行」
サムスン電子はそうした中で、製造装置や材料の多くを日本などから輸入するほか、主力のスマートフォンの製造の多くをベトナムなどの海外に移転させるなど、為替変動リスクへの対応を進めてきた。
半面、自動車メーカーの海外生産比率はまだ40%台にとどまり、遅れが目立つ。加えて、スマホと半導体で世界トップクラスにあるサムスン電子に比べて、他社にはそこまで圧倒的な競争力はない。また、韓国の輸出企業は日本企業と比べて、総じて品質や技術といった価格以外の競争力が足りないことがある。
前出の第一生命経済研究所の西濱徹氏はこう説明する。
「円安・ウォン高で、韓国企業にとって競争相手は日本企業です。その中で、たとえば自動車メーカーは日本企業に比べて技術力などで見劣りしますし、また鉄鋼メーカーなどは中国企業の進出などで競争力をますます落としています。ところが電機メーカーは、残念ながらパナソニックやシャープ、ソニーなど日本企業のほうが苦戦を強いられています。その差が表れたといえます」