日本の「ヨーヨーの達人」に世界中から熱い視線 TEDで演技、「なんて美しくて魅力的」「侍みたい!」

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   日本の「ヨーヨーの達人」に世界中から熱い注目が集まっている。一流の人物が集まり、英語でスピーチをおこなう米国のイベント「TED2013」に、ある日本人が登壇し、ヨーヨーのパフォーマンスを披露、観客からスタンディングオベーションを受けたのだ。

「日本人がTEDに!!(・・・)彼は侍みたい!」
「なんて美しくて魅力的なんだろう。なんにでも芸術的な価値があるってことがいま分かった。情熱は人生における強力な原動力だ」

   アップされた動画を見た世界のあちこちから、こんな賞賛の声が上がっている。

一流の人々を沸かせた「ヨーヨーの達人」

日本人初のTED登壇者は「ヨーヨーの達人」
日本人初のTED登壇者は「ヨーヨーの達人」

   TED(テド)とは学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物を招へいして講演会を開催する団体と、講演会の本大会の名称だ。講演者には非常に著名な人物が多く、これまでには、ビル・クリントン、ビル・ゲイツ、グーグルを共同で創設したラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリンといった人物が登壇している。

   本大会に聴衆として参加するには、年間7500ドル(日本円で約75万円)の会費を納めなければならない。そのため、会場は成功者のサロンと言う側面もある。

   TED2013は2月25日から3月1日にかけて開催された。

   たった一人の日本人として参加、その「一流」の聴衆をも沸かせたのはヨーヨーの達人・BLACK氏だ。本名などは明らかにされていない。いったいどんな人物なのか。2月27日におこなわれた講演の動画(4月20日配信)を見ると、BLACK氏は名前の通り黒い胴着に、赤い帯を締め、白いたすきをかけた和装で登場、拍手で迎えられていた。

   そして、膝に手をおき深々と一礼すると、

「14歳のとき、私は自分に自信がありませんでした。自分にはなんの才能もないと感じていました」

と切り出し、「ヨーヨーマスターまでの旅」と題したスピーチを、実演を交えて時おり聴衆の笑いを誘いつつ、はっきりとした英語で語った。

「私がヨーヨーから学んだことは、大きな情熱を持って十分な努力を重ねれば、不可能はないということです。私の情熱を、パフォーマンスを通してみなさんと分かちあいたいと思います」

会場は総立ち「すばらしい!!彼は忍者みたい(笑)」

   BLACK氏のパフォーマンスは小道具として扇子を用い、BGMにはししおどしやつづみの音、うぐいすの鳴き声などを取り入れるなど、随所に和を感じさせる演出だ。ひもとヨーヨーの動きは音楽と完璧に調和していて、BLACK氏の狙い通り「ヨーヨーというものが、エンターテインメントの1ジャンルになり得るのだ」(ブログ)と感じさせるものだった。

   このパフォーマンスに会場は総立ちで拍手を送り、動画を見た人からも賞賛の声が相次いだ。TEDの動画のコメント欄には数十件もの投稿があり、

「今までに見たものの中でもっとも美しく、どこか勇敢なパフォーマンスだ」
「BLACKが私たちに示したのは、情熱に従うこと、そしてそれに全力を尽くすこと。たとえそれがヨーヨーだったとしても、やっていることを本当に愛しているだけで、成功に向かっていく」
「私は彼のパフォーマンスが大好き!すばらしい!!彼は忍者みたい(笑)」

といったメッセージが世界中から寄せられている。また、BLACK氏のブログによると、すでに英語での問い合わせメールが「怒濤のように押し寄せ」、「今までは考えられなかったようなステージへの出演依頼も多数」きているという。

   スピーチによると、BLACK氏は生まれて初めて「得意」と感じられたヨーヨーに打ち込み、18歳で国際大会で優勝するも、日本では評価されず、一度は普通の企業で働いた。しかし、情熱を捨てきれず、ヨーヨーに対する世間のイメージを変えたいと考えて退職。表現力を磨くためにクラシックバレエなどを習い、ふたたび国際大会の芸術部門で優勝した。現在ではシルクドソレイユのオーディションにも合格するなど活動の幅を広げている。

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