30年以上前から「征服」と表現していたが…
わずか70軒ほどの世帯しかなく、過疎化の進む小俣集落が続けてきたイベントは32回目を迎えて、想像をしていなかった注目を浴びることとなった。
県の担当者は突然の事態にとまどう様子だ。山頂には「日本国征服」と書かれた横断幕が30年ほど前から掛けられているが、昨年まで苦情やクレームの連絡は一切なかったという。
批判には、「日本国」を勝手に名乗るな、というものもあった。しかし、名称の由来は諸説あるが、一説には江戸時代にこの山で捕らえられた鷹を見た当時の将軍が喜び、「この山を日本国と名づけよ」と言ったという。日本国の名称は明治時代に国土地理院から認められている由緒正しいものだ。
「地元の人にとって『日本国』と言えば山のこと。地元には違和感はなくとも、ほかの地域の人には違和感があったのかもしれませんね」
と県の担当者は語る。
5日に行われた山開きイベントの実行委員会は、「急に話題になってビックリした」と話す。イベントが始まった1981年から「征服」の表現を使っており、「30年以上前からのことなのに。なんで今さら…」と困惑する。
イベントは、ネットで懸念されたような外国からの参加者が押し寄せることもなく、大きなトラブルもなく終わった。しかし、ネットでの騒ぎを気にしていた参加者もいたという。
「征服」表現の変更が決まったあと、ネットでは「当然だ」とする声があがった一方で、「こういうのもシャレで済まされない時代なんだなぁ」、「このぐらいのギャグに目くじら立てる意味が分からん」、「言葉狩り的なものを感じた」という意見もあった。