TPP交渉参加をめぐり、官民の農業対策相次ぐ 農家の所得倍増、コメ生産コスト4割削減など・・・新味乏しい

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過去にも類似のアイデアが出ていた

   TPP交渉で農業分野の最大の焦点となるコメについて、新浪社長は「土地の集積化を進め、財政負担を最小化しながら生産性を高めてコスト低減を図る」ことで、1俵(60キロ)当たり1万6000円の現行生産コストを10年後に4割削減すべきだとする目標を掲げた。実現すれば、消費者に安価なコメを提供できるだけでなく、関税を撤廃しても、日本のコメ農家が米国産米などと競争できるほか、海外に日本米を輸出することも可能になるという意欲的な戦略だ。

   一方、自民党は農林族議員でもある石破茂幹事長が「農家が豊かにならなければ、地方の疲弊は止まらない」と、地方遊説などで発言。農家の所得を10年間で倍増する「農業・農村所得倍増目標10カ年戦略」を参院選の公約に掲げる方針だ。埼玉県の面積に匹敵する全国の耕作放棄地を解消して農地集積を図るほか、農水産物を加工して販売する「6次産業化(農商工連携)」を進め、所得の倍増を目指すという。ここでも農水産物の輸出が6次産業化と並び鍵を握っている。

   しかし、いずれの政策も新味はない。コメの生産コスト削減、耕作放棄地の解消、農水産物の6次産業化と輸出拡大などは、民主党時代にもかなり議論されたし、民主党に政権交代する前の自民党政権時代からアイデアは出ていた。コメのコスト削減も言い古されたテーマとも言え、農家の所得倍増への実現可能な具体策を示さなくては、参院選向けのスローガンに終わりかねない。

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