経団連が訪中団見送り「要人との会談は難しい」 日商は予定通り実施、経済団体の判断分かれる

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

行ったものの「空振り」ではすまされない

   米倉会長は3月にも日中経済協会(会長・張冨士夫トヨタ自動車会長)訪中団の一員として北京を訪れ、李源潮国家副主席らと会談した。今回の訪中で成果を出すとすれば、それより高位の指導者、つまり習近平国家主席か李克強首相との会談を実現させるしかない。しかし、複数の閣僚による靖国神社参拝などで政府間のつばぜり合いはさらに激しくなっており、「行ってみて空振りだったというわけにはいかない」(経団連幹部)との判断があったようだ。

   気になるのは、日本商工会議所が、今月26日からの訪中を予定通り実施することだ。メンバーは岡村正会頭(東芝相談役)のほか、次期会頭に内定している三村明夫・新日鉄住金相談役や小林健・特別顧問(三菱商事社長)ら豪華メンバー。

   その時までに日中関係が好転している見込みは薄く、今のところ中国最高指導者との会談が実現する見通しは立っているわけではない。だが、仮に実現すれば経団連としては民間経済交流の主導権を"格下"の日商に奪われた形になりかねない。三村氏は中国との関係が深い新日鉄の社長経験者として中国側と独自のパイプがあるとされ、経団連関係者は日商の訪中の行方に気が気ではなさそうだ。

1 2
姉妹サイト