「韓国の博物館側には、内々に『開催困難』を連絡」
海外で展示会を開く場合、手続きに1年以上を要するという。百済展は2014年春の開催を目指していたが、現段階で出品のめどが立たない以上は予定通りの進行が難しく「時間切れ」と判断した。「韓国の博物館側には、内々に『開催困難』を連絡しています」と、担当者はやや困った様子だった。
ただ「築城1350年」の記念事業として、九博単独で百済関連の展示会を2014年に企画しているという。今回見送った百済展も「延期」の扱いで、時期を見て開催したいとしている。
だが、延期の原因となった対馬の仏像盗難問題は、今も決着していない。窃盗犯の裁判は韓国で始まっているが、5月1日付の産経新聞電子版は、主犯格の兄弟のうち弟が、兄から「『日本には植民地支配中に韓国から略奪した文化財が多くあり、盗んで売れば金になる』と持ちかけられた」と証言したと報じた。5月2日付朝日新聞電子版は、兄弟ら実行犯が2体の仏像を盗んだ後、別の韓国人に「借金のかた」として取り上げられたとの法廷証言を伝えた。逮捕された直後は「愛国心」から犯行に及んだような口ぶりだった窃盗団だが、どうやら最初から「金目当て」だったようだ。