中国市場も大誤算
ヤマダ電機にとっては、中国事業の不振もある。とくに2012年3月にオープンしたばかりの南京店を閉店せざるを得なかったのは、尖閣問題での反日デモ以前には「積極出店」の意向をもっていただけに、大きな誤算だろう。
同社はサプライチェーンの構築が思うように進まなかったことによる販売不振が原因という。南京店は5月末で閉鎖。それに伴う損失は未定だ。閉鎖後は他社との資本業務提携や店舗譲渡などを模索する。一方、瀋陽店と天津店については営業を続ける。
とはいえ、家電量販店の販売不振はヤマダ電機に限らない。エディオンや「ケーズデンキ」のケーズホールディングス(HD)も置かれている状況は同じだ。
エディオンは2013年5月1日、13年3月期の業績予想を下方修正したと発表。連結売上高は7200億円から6851億円(前期比9.8%減)、営業損益は30億円の黒字から24億円の赤字に(前期は92億円の黒字)、当期損益は30億円の黒字から27億円の赤字(同36億円の黒字)となった。期末予想配当の10円は変更していない。
業績悪化を受けて12年10月から実施している役員報酬の減額を継続する。
また、ケーズHDは13年3月期の売上高を6600億円(前年比9.1%減)、営業利益は199億円(同41.7%減)、当期純利益は144億円(同39.4%減)を見込んでいる。
好調だったエアコンや冷蔵庫、クリーナーなどが、薄型テレビなどの売上げ減をカバーできないでいる。