国際的ハッカー集団「アノニマス」を名乗るインターネット利用者が北朝鮮関連サイトへの攻撃を繰り返すなか、その影響が日本にも及んできた。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙にあたる「朝鮮新報」のウェブサイトが攻撃を受け、登録読者のリストが流出する被害が確認された。
リストの主な内容はメールアドレス。フリーメールを使っている人が多いが、ドメインなどから大学関係者や、マスコミ関係者と判別できるアドレスも多かった。J-CASTニュース記者の自宅アドレスも流出が確認された。今回攻撃を受けたサイトは、北朝鮮関係の情報源として有用だとされており、研究者やマスコミ関係者も登録していたが、それが裏目に出た形だ。
半数がフリーメールで登録
「朝鮮新報」を発行する朝鮮新報社の発表によると、攻撃があったのは2013年4月20日。発表では、今回の事件を
「サイバー空間を政治的対決のために悪用する違法行為を断固糾弾し、たたかってまいります」
と非難し、情報流出を陳謝した。
攻撃の結果流出した情報は、アノニマスが利用することが多いソースコードの投稿サイトで公開された(5月1日時点では削除)。約3670件が流出し、データには利用者名(ID)、メールアドレス、暗号化されたパスワードなどが含まれている。住所や氏名は、そもそもサイト登録する際に入力を求められておらず、流出していない。
流出したメールアドレスの大半がフリーメールで、Gメール、ホットメール、ヤフーメールだけで約1840人。携帯電話のアドレスで登録している人も多く、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク(iPhone)が約130人ずついる。
大学に割り当てられる、「ac.jp」のメールアドレスも目立つ。朝鮮大学校のアドレスを登録している人が約60人いるほか、神奈川朝鮮学園、愛知朝鮮学園のアドレスも確認できる。東大、日大、同志社大、静岡県立大のアドレスもあった。