「争論ではなく暴論」
また、学校教育を変える方法がなぜTOEFLなのかは、「英語の教育の専門家にも聞きましたが、みなさん、さまざまな説をおっしゃるけど、どれが正しいのかわからない。一番簡潔なのがTOEFL導入です」と、あいまいだ。教育現場の混乱が予想されることについては、「私たちは先生のためではなく、生徒のために改革するんです」といいつつ、「企業のみなさんは賛成してくれていますよ」となぜか生徒ではなく企業の賛同を根拠に上げた。
こうした一連の発言に、ツイッターではふたたび、
「学校教育の6年で英語できるようになると思ってるんだな,この人」
「この議員、あまりにもアホすぎるw 自分だってろくに英語を使えないのに、子供達に語学力を強要する一方で、国会議員の外交には英語は不要なんだとさw」
「これぞ争論ではなく暴論」
と批判が相次いで書き込まれ、「『受けても10点ぐらい』という人が、『どれが正しいのかわからない』まま一番『簡潔』、つまり自分の頭で分かる程度の政策を実施しようとしているわけですか。。。」「学校教育ではとにかく基礎を教えればいいんじゃない?あとは自民党が好きな『自助努力』『自己責任』ってことで」との皮肉も出た。
紙面では反対論者の和歌山大学の江利川春雄教授(教育学)が、学校教育だけで英語が話せるようになるというのは幻想だと訴えた。東大入試や英検1級を超える場合もあるTOEFLの要求水準に、学校教育だけでもっていくのは困難で「『体育の授業の目標を国体出場レベルにしよう』といっているようなもの」という。そればかりか、英語嫌いを増やす危険性もある。むしろ、英語が将来必要になったときに自分で学んで伸びられるよう、基本的な文法や音声、語彙などの土台づくりに目的を置くべきとの見方を示した。その上で、遠藤議員にこう諭している。
「私も英語教師です。英語ができる日本人が増えたらいいなと思います。遠藤さんも自助努力で必死にやれば、国際会議やレセプションで話せるようになります。どうかお願いですから、学校教育に責任を押し付けないでください」