テレビ試験電波「映らない」苦情相次ぐ スカイツリーへの5月中移転は困難?

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5月不可能説も・・・フジ社長「私は日本人を信じている」

   こうした状況を受けて、「5月移転は無理なのでは」という説が頭をもたげはじめた。

   TBSの井川泉執行役員は4月24日の会見で「(難視聴世帯の)あぶり出しのピークは越えた」と説明しているが、一方で、直前の週末2日間で約4000件の要対策世帯が追加で判明している。ゴールデンウィークの残り4連休にも集中的にテストを実施するため、さらに増える可能性もある。

   総務省は移転を許可する際の条件として、「周知広報の実施、相談窓口の設置」のほか、とりわけ「(難視聴世帯への)対策工事の実施」を掲げており、これがクリアできない限り、移転を容認しない考えだ。さらに具体的に「(受信障害が)1日数百件に減るのが収束の目安」(23日付日本経済新聞朝刊)という話もある。

   23日付の日本経済新聞はまた、大型連休で対策工事が滞れば、延期の可能性も出てくるとし、「5月を逃せば9月にずれ込む公算が大きい」との見方を示す。

「移転から約1か月は試験放送を見なかった世帯などで受信障害が発生する。このため参院選の政見放送などを流す7月だけでなく、1か月前の6月も移転は難しい。夏休みで視聴者が不在がちの8月も本格的な試験放送を実施できず移転は困難だ」

   こうした推測を背景にしてか、26日にはフジテレビの豊田浩社長から、

「私は日本人を信じているんですが、最後は力を出してやれるんじゃないか。5月末という目標は捨てないで頑張っていきたい」

との「神頼み」発言まで飛び出していた。

   そもそも、東京タワーからスカイツリーへの地上デジタル放送の送信所移転は、1月の予定から5月にずれ込んでいた。スカイツリーは東京タワーの2倍近い高さがあるため、ビル影などによる電波障害が減るとの触れ込みだった。ところが、アンテナの向きを変更する必要があったり、電波の入りが悪くて増幅器を使っていた家庭では電波が強すぎて障害が起きたり、など障害報告が想定より多く、対策のため猶予が設けられていた。

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