日ロ共同声明 領土交渉を加速 経済協力テコに関係強化

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   ロシアを公式訪問中の安倍晋三首相はクレムリンでプーチン大統領と会談し、停滞している北方領土交渉の再開を盛り込んだ共同声明を2013年4月29日に発表した。両国の共同声明は2003年に当時の小泉純一郎首相とプーチン大統領がまとめて以来、10年ぶり。

   今回の声明では「第2次世界大戦後67年を経て日ロ平和条約が締結されていない状態は異常であるという認識で一致」と明記。解決策づくりの交渉を加速させるよう、それぞれの外務省に指示することで一致した。

   外務・防衛担当閣僚級協議(2プラス2)や自衛隊とロシア軍の防衛交流拡大、日本外務省とロシア安全保障会議事務局は定期協議を設ける。首脳が定期的に相互訪問するほか、外相が少なくとも年に1回、相互に訪れる。

   北朝鮮問題では「核兵器・弾道ミサイル製造を放棄しない行為を非難し、国連安全保障理事会決議や6カ国協議の共同声明の順守を強く要求する」ことで一致した。

   エネルギーや農業、医療技術・機器、インフラなど幅広い分野で、ロシアの資源と日本の技術を活用し、ともに利益を得られるような官民共同の事業を打ち出した。

   日本の期待は、ロシアの液化天然ガス(LNG)の輸入拡大。ロシアにとっても、欧州向けガス輸出が低迷するなか、アジアへの供給を増やしたい思惑がある。ロシアは膨大な天然資源がある極東・東シベリアの経済を活性化させて、この地域の安定化したい。ガスや石油だけでなく、森林や耕作地の活用も課題になっている。

   日本企業のロシア進出を支援しようと、政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)とロシア開発対外経済銀行(VEB)などは共同で、日本企業が参加する事業に投融資を行う「日露投資プラットフォーム」を設立する。

   また、日ロはそれぞれ相手国に文化交流の拠点になる「文化センター」を設置する。

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