「この投稿が100回リツイートされたら、明日彼女に告白します!」
「1000回RTされたらノーパンで学校に行きます!」
ツイッターで最近、こんな投稿を見かける機会が多い。あえて無理難題を自分に課し、所定のリツイート(RT)回数に達すれば、それを実行する、というものだ。特に若いユーザーから人気が高い。
一方で最近では、企業がこうした手法を取り入れ、宣伝に活用する動きも見られる。
「100RTされたら全裸で学校行く!」
こうした投稿は、日本語版ツイッターに公式リツイートの機能が取り入れられた2010年から出始めていた。特に最近では若い世代のツイッターユーザーが増えたことも手伝ってか、こうした投稿が比較的よく目に付くようになった。
「今日中に10RTされたら網タイツ姿晒す。10とかされたことないから多分回避されるはず」
「3RTされたら身長晒す7RTされたら体重晒す」
「25RTされたらプリクラ晒す わたしの顔に興味あるひとなんていねぇだろ」
「100RTされたら全裸でお花見行く」
などなど、比較的罪のないのんきなものから、実際に実行したら「危ない」ものまで。それどころか、ネット上ではやるべき「お題」をランダムで自動提供してくれるサイトまで存在する。
ある意味では「セルフ罰ゲーム」ともいえるこの遊び、「できるだけRTされませんように……」と祈るのが普通のはずだが、多くのユーザーは「どうせ誰もRTしないだろ」とわざわざ挑発するような文言を入れたり、それどころかRTが集まらないと「もう1回」と再チャレンジする人までいる。また、その後実行に移されたのかどうかは、はっきりわからないままうやむやになるケースも少なくない。
こうした「構ってちゃん」ぶりが鼻につく、と嫌う人も少なくないが、この1か月の「RTされたら」という文言を含むツイートの数は実に40万件近い。
「自分の影響力を数字にしたい」願望が…
ITジャーナリストの井上トシユキさんは、こうした投稿を「自分自身の影響力をRT数という数字で確認したいという、一種の自己満足」と分析する。しかも、
「RTする側も一種の当事者として『参加した』感を味わうためにやっているので、投稿者が発言の内容を実際に行うかどうかはあまり気にしていない。そのため、実際にそれを実行に移す度胸がなくてもできる。実際にシャレにならないようなことをされたら見てる側としても困るわけで、ある意味では利害が一致している(笑)」
一方、企業ツイッターは、この構図をうまくPRに利用している。たとえばレンタルサーバーの「ロリポップ!」は2013年4月15日、
「このツイートが120万RTされたら抽選で12名にロリポップ!のサーバー料金120年分無料プレゼントらしいので拡散お願いします!」
と公式ツイッターでつぶやいた。「120万」という非現実的な数字はともかく、それでもたちまち3万人以上がこの投稿をリツイートした。同社のツイッターをフォローする人は総計7000人あまりだから、それを大幅に超える広さでの宣伝に成功したといえる。
最近でも4月24日、ゲームソフト「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS」の製作者が、「820回RTされたらゲーム用のダウンロードコンテンツを無料で提供する」と投稿したところ、わずか1時間足らずで目標を達成し、ゲームファンの話題をさらった。
こうした取り組みについて上述の井上さんは、「一種のゲーミフィケーションですね。ネットの流行をうまく利用したということだと思います」と評価している。