日本からの旅行専門に扱う中小、零細にしわ寄せ
こうした状況に、「日本のマーケットが一番大きいですから、日本人観光客の数が落ち込むと全体の数字にも響く」と韓国観光公社東京支社の担当者は危機感を募らせる。
韓国観光公社の統計によると、13年2月期の日本人観光客数は21万7153人と、全体(81万5000人)の約1/4を占め、近年増加している中国人観光客を抑えてもっとも多くの割合を占めていた。
ダメージが大きいのは日本からの旅行を専門に請け負う中小や零細の会社だ。報道によると、一部からは倒産との情報を受けている。また、倒産まではいかないまでも、従業員10人以上の会社の半数近くが、従業員の半分をリストラしたり、給与をカットしたりといった対応に追われているという。
またホテルにも、一部には日本人観光客の枠を確保するために、中国人観光客の宿泊数を少なく抑えているところがあり、そういったところへの被害は深刻なようだ。
一方で、韓国への旅行者数は全体では13年3月期に100万人を突破するなど好調。みやげものについては、「最近は中国からの観光客の方もよく買い物されていますからそんなに減ってはいないですね」ととくに影響はないとの見方を示した。