韓国を訪れる日本人観光客が急減したことを受け、韓国旅行業協会が韓国政府に対して日本人観光客の誘致活動費を支援するよう要請した。
韓国の観光産業にとって、日本は旅行者全体の約1/4を占める「最大のマーケット」。日本人誘致を専門に扱う中小や零細の旅行会社の間では、観光客減少のあおりで倒産したケースもあるといい、関係者は頭を悩ませている。
竹島、円安に加え北朝鮮の「挑発」が背景に
「韓国旅行業界、日本人観光客急減で政府に支援要請」「韓国、日本と中国の観光客が初めて逆転…GW特需もない?」「韓国訪問する日本人急減 旅行業界は『悲鳴』」―――こんな見出しで韓国メディアが伝えるところによると、大韓商工会議所が外国人観光客誘致のトップ60の旅行会社を対象とした調査結果で、ゴールデンウィーク(GW)期間の日本人の韓国観光の予約率が12年よりも「減った」とする回答が93.2%に達したことがわかった。
この動向は日本のJTBが、GW期間に1泊以上の旅行にでかける予定の15歳以上79歳までの男女1200人を対象におこなった調査結果でも同様で、韓国への旅行者は前年同期比10.8%の落ち込みを見せている。
減少は今に始まった話ではない。韓国観光公社の統計によると、韓国への旅行者数は12年10月に前年同期比-20.7%という大きな減少を記録して以来、2月期まで前年同期比を平均で20%より下回り続けている。
この原因として、大韓商工会議所は12年9月から続いている島根県の竹島(韓国名:独島)の領土問題と円安に加え、挑発行為を繰りかえす北朝鮮リスクを挙げる。
協会も支援を求める公文書の中で、「2017年までに外国人観光客1600万人達成という政府の政策目標に対応するために最善の努力を尽くしているが、李明博大統領が竹島を訪問した昨年8月以降、日韓関係が冷え込み、日本の旅行者誘致旅行会社の大半が整理解雇など経営難に陥っている」と指摘した。