「年収100万円でも仕方がない」
とはいえ、日本人社員は手放しでは喜べないところもある。中国などの新興国に比べて賃金が高い日本は下へ引っ張られる。反対に、賃金の低い国は賃金が上がるわけだ。
ユニクロの店長の賃金水準は、日本より欧米のほうが高く、日本より新興国のほうが低い。柳井社長は「日本で賃下げは考えていない。一方で新興国の賃金をいきなり欧米並みにはできない。それをどう平準化し、実質的に同じにするかを検討している」という。
しかし、一方で、「将来は年収1億円か100万円に分かれて、中間層が減っていく。仕事を通じて付加価値がつけられないと、低賃金で働く新興国の人の賃金にフラット化するので、(理論上は)年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」とも話し、「付加価値」をつけられない社員が退職に追い込まれたり、場合によってはうつを発症したりすることも否定しない。
柳井社長曰く、グローバル経済というのは「Grow or Die(成長か、死か)」なのだそうだ。