広島・前田健太が一軍離脱 WBCの後遺症との見方も

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WBCなど、今後の「国際大会」への選手派遣に影響は?

   前田はWBCのメンバーに選ばれた後、豪州との壮行試合(2月24日)に先発し、3回を投げ四球連発のピンチで3点本塁打を浴びた。本来の力を発揮したのは本番のオランダ戦(3月10日)。先発で5回1安打、無失点。日本を決勝トーナメントに導いた。米国に渡っての準決勝、プエルトリコ戦(現地17日)で先発し、5回4安打、1失点の好投を見せたが、試合は1-3で敗退した。

   しかし、実際は万全の肩ではなかった、という。キャンプ中に、整体師に診てもらったり、鎮痛剤を服用していた、との情報もある。つまり、WBCは無理を押して出場した、というのである。セ・リーグ公式戦での初登板は3月31日、巨人3回戦(東京ドーム)。開幕第3戦だった。このときも開幕戦を回避したとささやかれ、右肩の状態を疑われた。

   この前田の状況が芳しくないとなると、今後のWBCをはじめとする国際大会に影響することが予想される。どのチームも主力投手を出すかどうか。ロングランのペナントレースを投げ抜いたうえ、厳しいスケジュールで投げるのは難しいのが実態だからだ。

   日本野球機構(NPB)は「侍ジャパン」を編成して収益を上げるための企画を画策している。4年に一度のWBCの合間を縫って開催を狙うのが「プレミアム12」。これはアマ中心の世界大会を改変し、プロも参加するものなのだが、米国の大リーガー出場は見通しが立っていない。

   前田の一軍離脱は余波が大きくなる事案なのである。これ以上の国際試合に各球団が協力するとは思えない。前田は今年1月に「年俸2億1000万円プラス出来高払い」のビッグ契約を結んだばかり。投手は投げられなくなったら価値がない。(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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