皿数増やし、客単価をアップ
ロイヤルホストによると、好調の要因の一つは「店内改装」によるイメージチェンジがある。2009年から取り組んでいる店内改装は、暗いイメージの店内を明るくし、大きめのテーブルを用意するなど、「きちんとした食事のできる環境」を整えることにある。客席は全面禁煙。店内改装はこれまでに約8割の店舗で終了した。
同社が本格的な立て直しに着手したのは、いまの矢崎精二社長が就任した2011年。3か年計画を策定し、まずロイヤル東日本(関東以東)、ロイヤル関西(関西、名古屋)、ロイヤル西日本(九州、広島、山口)と地域ごとに分かれていた事業会社を再編し、「ロイヤルホスト」に一元化した。それにより、各社バラバラだった商品開発や社員教育を統一。使用している食材の「質」を向上し、コックの調理技術の向上にも取り組んだ。
最も重視したメニューの見直しでは、グランドメニューの全面改定を年4回から1回に削減。コックが調理や盛りつけに習熟できるようにする狙いがある。
メニューの変更回数が減った部分は、フェアメニューを年4回実施することで補った。定番となった「カレーフェア」や、「ステーキフェア」や「イタリア料理フェア」がそれ。その一方で、88円のサラダや120円のコーヒーゼリーなど低価格のサイドメニューを増やした。
こうしたことで、お客1人あたりが注文する皿数は1.7皿から2皿まで伸びた。半面、1皿あたりの平均単価は2009年冬の625円から13年春には587円まで下がったが、皿数が増えたことで、客単価は1070円から過去最高の1160円にまで上昇した。
ロイヤルホストは、「今後も低価格路線に組することはない」と言い切り、好調持続のカギは「QSCA (Quality=常に品質の高い料理の提供 、Service=常に気持ちのよいサービス、Cleanliness=常に衛生的、清潔な店舗、Atmosphere=常にくつろげる雰囲気づくり)の積み上げしかない」という。