ファミリーレストラン老舗、「ロイヤルホスト」が復活してきた。2012年12月の売上高(既存店ベース)は1996年以来16年ぶりに前年を超え、さらに13年1~3月期は売上高、来店客数、客単価のすべてで前年を上回った。
「ロイヤルホスト」を傘下にもつロイヤルホールディングス(HD)は、店内改装や、シェフやホールの社員教育への投資が実を結んだ、としている。
「潮目が変わった」低価格よりも、価値あるものが好まれる
ロイヤルホストはここ数年、ガストやサイゼリヤなどのライバルの低価格戦略に押されていた。ライバルに比べて、「価格が高い」というイメージが定着。デフレ景気の背景もあって、消費者が離れていった。
同社は「牛丼業界に象徴されるような激しい低価格競争に巻き込まれたことが、売り上げに直接的に響いてきました」と、打ち明ける。
不採算店舗の撤退や、グループのステーキ専門店「カウボーイ家族」への業態転換によって店舗数を減らし、2013年3月末の店舗数は236店。ピークだった1998年から約4割も減った。それに伴い「ブランド力」も低下し、売り上げは縮小均衡を余儀なくされた。
ただ、「最近は、潮目が変わった」と感じている。「低価格へのニーズはありますが、一方できちんと価値のあるものが好まれ、評価されるようになってきました」と話している。
ロイヤルホストの2012年の売上高(既存店ベース)は前年に比べて1.3%増、来店客数は1.1%減、客単価は2.5%増だった。売上高は、じつに16年ぶりに前年実績を上回った。
今期に入ってからも好調は持続。それどころか、勢いは増している。2013年1月の売上高は前年比9.4%増、来店客数は6.8%増、客単価は2.4%増。2月はそれぞれ、5.6%増、3.5%増、2.1%増、3月が7.5%増、5.5%増、1.9%増と、すべてプラスに転じた。
景気の上向き気配で、消費者ニーズが「付加価値の高いもの」に目が向いてきたことが、同社を後押ししていることもある。