40歳代中心に売れる、富裕層は「2軒目」購入も
一方、ここ数年のマンション購入者は、初めて住宅を取得するファミリー層が中心だった。ところが、最近は「億ションなど高額物件が完売したり、リタイヤ層が子供ための住居として2軒目を購入したりする動きが出てきました」(前出の不動産経済研究所の松田忠司氏)と、資産効果を見込んだ購入がみられるようになってきた。
たとえば、三井不動産が手がけた東京・飯田橋の「パークコート千代田富士見ザタワー」(総戸数505戸)は物件の半数が「億ション」。3月16日に最終販売したが、「すでに申込みは埋まりました」(三井不動産)という。40歳代を中心に、会社経営者や役員、医師などが購入しているそうだ。
同社が現在販売中の「パークマンション赤坂氷川坂」も高額物件だが、「好調に売れています」と話している。
景気回復によって販売価格が上昇する前に、都区部の利便性のよい物件に買い替えようというニーズも増えている。都心回帰の動きで、中古マンションも高額物件から物色されているという。
ただ、不安材料もある。前出の松田氏は「14年4月に予定されている消費増税の影響が不透明です」という。加えて、「販売価格は建築コストの上昇もあるので、ある程度は上がるでしょう。しかし、あまり上昇しすぎると水を差すことになります」とも指摘する。