中国産冷凍野菜は37万トン、冷凍食品は14万トン輸入
日本では07年から08年にかけて、中国から輸入した冷凍餃子に有機リン系殺虫剤が混入し、食べた人が下痢やおう吐などの症状を訴えたという「毒ギョーザ事件」が大きな問題となったほか、冷凍野菜から高濃度の化学物質がたびたび検出されている。
厚生労働省が発表している「食品衛生法に違反する食品の回収情報」を見ると、08年2月から13年3月まで、中国産の冷凍食品や野菜、海産物について基準値を超える生菌数、有害物質の混入などが13件報告されており、韓国の9件、タイの7件を抑えてトップだ。なお、日本産の食品でもたびたび食品衛生法違反が報告されているが、賞味期限の誤記載やアレルギー物質の表示漏れ、プラスチックや金属など異物混入といった、ややレベルの異なる事例が多い。
社団法人日本冷凍食品協会の発表では、11年に中国から輸入した冷凍野菜は、ポテトやいんげん、ほうれん草など計約37万トンで、米国を抑えてトップだ。調理冷凍食品も、鶏肉が使われているフライドチキンや唐揚げをはじめ、ぎょうざ、とんかつなど約14万トンを輸入しており、こちらも2位のタイ(約7万6000トン)を大幅に上回っている。毒ギョーザ事件後の08年、09年には2年連続で前年より輸入量が減少したが、10年、11年には、野菜、調理済み食品ともに続けて輸入が増えている。
不安が募る中、中国産食品はどんどん日本国内に入ってきているという現状で、消費者はどういった点に注意すればよいのだろうか。30年以上「食の安全」の問題に取り組み続けている弁護士の神山美智子氏に話を聞いた。
「毎日ファストフードを食べる、外食に頼るということは、栄養の面から見てもやめるべき。気を付けるとしたら、家で普通にご飯を炊いて、産地などの表示をよく見て野菜を買って、自分で調理する、くらいしかできないのでは。外食産業はそうした表示がないし、あまりに安い食品というのも安さには理由がある。全く食べないというのは難しいだろうから、自分で気を付けてなるべく控えるしかない」