「ブラジャー着用で健康被害」の仏調査 医学的根拠には乏しい?

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   フランスで、ブラジャーを着用し続けると胸筋を弱らせるなど健康に悪影響を及ぼす恐れがあるとの調査結果が発表された。過去には「ブラジャーが乳がんを誘発」といった報告もあった。

   いずれも医学的根拠に乏しいようだが、女性にとっては気になる話だ。

「リンパ節が締め付けられて胸の細胞に害を及ぼす」との説

「医学、生理学、また解剖学的な見地から、ブラジャーの着用は胸に何の効果もない」

   こんな発表をしたのは、フランス東部・ブザンソン大学病院のジャン・ドニ・ルイヨン教授。ロイター通信や米CBSニュース電子版など複数の海外メディアによると、ルイヨン教授が18~35歳の女性330人を対象に15年間実施した調査に基づき、ブラジャーの着用で胸を支える細胞の成長が阻害されて筋力が徐々に低下してしまうことが分かったという。

   一方、ブラジャーを使わなかった被験者は、胸筋の発育が着用者に比べて数値面で好結果が出たようだ。調査に協力した28歳の女性は、「ブラジャーを2年間つけなかったら呼吸が楽になり、背筋が伸びて背中の痛みが少なくなった」とその「効果」を語っている。

   ただしルイヨン教授は「すべての女性がブラジャーを着けない方がいい、と言い切れるわけではない」とも話している。調査対象の年齢が限定的なのも理由のひとつで、この結果だけで「ブラ不要論」を主張するのは難しそうだと教授本人も認めている。

   ブラジャーと健康の関連性については、これまでも議論に上ることがあった。中でも1995年に出版された「Dressed to Kill」という書籍が知られている。「医療人類学者」の夫妻がブラジャーを着用し続けることによる乳がん発病の危険性を指摘した内容で、ブラジャーでリンパ節が締め付けられて胸の細胞に害を及ぼし、最終的に乳がんに至る恐れがあるのだという。

   だがこの説を明確に否定する専門家は多い。医学博士で乳がん関連の情報を発信するウェブサイト「Breastcancer.org」の創設者マリッサ・ワイス医師は、「科学的な根拠が示されていない」と明言する。ワイス医師によると、これまでにブラジャーが乳がんの原因になり得るという調査結果はわずか1例、つまり「Dressed to Kill」のものしか発表されておらず、がん発症のリスクにブラジャー着用の有無は関係ないと、「Breastcancer.org」の中で説明している。

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