調査は4月末まで延長
三菱自動車はその時点で、4月10日をめどに結果まとめ、公表して幕引きを図る考えだった。しかし、10日までに原因を特定できず、調査は4月末まで先延ばしした。トラブルが発覚してから続いている生産と出荷の停止措置も当面継続する。
環境性能が高いエコカーは国内市場で人気が上昇し、メーカー各社の競争が激化している。三菱自動車も2009年に電気自動車「アイミーブ」を発売したが、販売は低迷している。その中でアウトランダーPHEVは「三菱自動車のエコカー技術の集大成」(幹部)との期待とともに1月に市場に投入したばかり。発売から約2カ月間で販売計画の4000台の2倍の8000台を受注するほどの人気で、7月からは欧州を皮切りに海外市場への投入も予定していた。
発火原因の調査に手間取っている以上、生産再開のめどは立たず、国内外の販売スケジュールの見直しも必至の情勢だ。社内からは「久々のヒットだっただけに今回のトラブルは非常に残念」というため息も漏れてくる。調査の結果次第ではリコールの可能性も出てくる上、トラブル対応が長引けば「ブランドイメージも損なわれ、業績への影響もゼロとは言えない」(幹部)と、危機感を強めている。