激減した行楽客に住民の心は揺れつづける【福島・いわき発】

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   夏井川渓谷の小集落、牛小川できのう(4月15日)、春日神社の祭礼が行われた。といっても、林内にあるやしろに参拝(=写真)し、定宿で「なおらい」をするだけ。渓谷を彩るアカヤシオ(岩ツツジ)が満開の日曜日に実施するのがならわしだ。今年も連絡がきて参加した。


   肝心の、アカヤシオの花が激減していた。猛烈な低気圧に襲われた7日、アカヤシオは強風に耐えて満開だった。1週間後のきのうは、まるで三分咲き。「風に散らされた」という。7日は未明、いわきの平地で猛烈な雨になった。それが第一波。日中は一服したものの、夜にまた吹き荒れた。この第二波が影響したのだろう。


   アカヤシオが咲くと、行楽客が各地から押し寄せる。渓谷を縫う道路が車と人で埋まる。磐越東線の列車も徐行運転をする。3・11後、これが一変した。おととしは、行楽客はほぼゼロ。去年は散発的に姿を見せただけ。今年も静かなものだった。


   メディアの報道と行楽客は連動する。3・11取材が続くメディアに溪谷まで足を延ばす余裕はないのだろうか。それとも、早い開花と落花に観光部門からの情報提供が間に合わなかったか。


   アカヤシオの花は牛小川の自慢の一つ。見に来てほしいが、来てくれなくてもいいと、住民の心は揺れつづけている。家の裏山のシイタケやタラの芽を摘んだり、畑を踏み荒らしたりする迷惑行為が後を絶たないからだ。


   その裏山も一変した。間伐されて林床に光が躍っている。対岸の水力発電所から延びる送電線の下も伐採されていた。


   「春日様」の祭りはこうして、ここ1年間の集落のできごと、直近の様子を知る場になる。

(タカじい)



タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
■ブログ http://iwakiland.blogspot.com/

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