「ネトウヨ」批判が物議を醸していた俳優の伊勢谷友介さんが2013年4月18日未明、「全く妥当な言葉ではなかった」と謝罪した。
伊勢谷さんは俳優、映画監督などとして活躍するとともに、参加型民主主義を提唱する「クラウドガバメントラボ」を主宰するなど政治方面にも活発な発言をしている。ファッションデザイナーの山本寛斎さんとは異母兄弟だ。一方で女性関係が週刊誌などをにぎわすことも多く、最近では長澤まさみさんとの交際が伝えられている。
「ネット右翼が社会の足を引っ張る存在」
そんな伊勢谷さんは16日、ツイッターで突然、ネット右翼に対して以下のような発言を行っていた。
「誰かを誹謗したりする事で、自分がネット右翼となっている事を気がつかない人が多い。ネット右翼が社会の足を引っ張る存在になるのだが、自意識がなければ、自分を正義と勘違いしている奴がいる。元を正せば、昔からそんな雑誌も沢山ある。目的の中に生きなければ、自己判断も出来なくなる」
フェイスブックではさらにこれを補足するような形で、
「自らが望む望まないにも関わらず、弱者は自らのことを『みんな』という言葉であたかも自分が世界の基準だともいうように振る舞う。そしていつの日か、弱者は守られて当然であり、そのうちに守ってくれないことを悪とし、攻撃し出す。そして本人が気がつかないままに、ネット右翼となって行くのだ。ネット社会の、弱者の暴力だ」
伊勢谷さんはその数日前から、「匿名性だから好きな事言えるなら、そんなの相手にしてても仕様が無い」などと繰り返しネットに関する不満をつぶやいている。特定の思想を持つ人、というより、ネット上にはびこる匿名の誹謗的・無責任的発言群を指して伊勢谷さんは「ネット右翼」という言葉を使ったようだ。
発言を消去して謝罪
しかしこの発言にはたちまち、本物の「ネット右翼」からの批判が相次いだ。
「ネットで批判されたら、批判した人全部ネトウヨだと思ってそう」
「誰かを誹謗するのがネット右翼なら 現在進行で彼らを誹謗している伊勢谷もネット右翼ということになる 自分を正義だと勘違いしているのは彼自身」
伊勢谷さんも最初は、
「新たにアカウントを作り、攻撃してアカウントを捨てるやつが居る。これこそだよ」
などと応戦していたが、最終的には自ら問題のツイートを消去し、フェイスブックで以下のようなお詫びコメントを載せた。
「先日のツィートで、きちんとした定義と、意味を理解しないまま『ネットウヨク』という言葉を使ってしまったことで、僕の意図とは別の、多くの誤解を招いてしまった事をお詫びします。改めて、ここで言葉の意味を言及することはせず、全く妥当な言葉ではなかったと言うことをはっきりとお伝えしたい」