労働市場の流動化目指す自民 参院選に向け政府攻撃の材料に

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「ブラック企業」の社名公表を参院選公約?

   こうした批判には安部首相も神経を使う。競争力会議などの議論が「解雇自由化」と報じられたこともあって、国会での答弁もブレ気味。3月28日の衆院予算委員会で「金銭によって解決をしていく、解雇を自由化していく考えはない」と答弁したが、4月2日には「(判決で)解雇無効となった場合、事後的に金銭支払いにより労働契約解消を申し立てる制度は(金銭解雇に)含めていない」として、先の答弁で否定したのは「事前型」の金銭解雇だったと、修正した。

   民主党は、連合がバックにいるというだけでなく、「参院選に向けて政府攻撃できる有効なテーマ」(同党政調関係者)とみて、「議論の舞台の政府の会議は財界代表ばかりで労働界の代表もいない」(同)といった手続き論も含め、選挙の争点にする構えも見せる。

   「参院選までは安全運転」が安部政権の基本スタンスとあって、甘利明経済再生担当相は「企業側の都合で金銭解決することは考えていない」「ここ(競争力会議など)での議論が、解雇が自由になるとのメッセージになっては困る」(9日)と、鎮静化に努める。

   自民党も若者の使い捨てが疑われる「ブラック企業」の社名公表などを参院選公約に盛り込む検討を始めている。ただ、競争力会議など有識者会議で「過激な議論」を仕掛け、与党で揉んでマイルドにして、歩留まり7割程度で実現するのが自民党の古典的な手法(霞が関筋)とも言われる。こうした議論は、日本経済再生本部(本部長・安倍首相)が6月にまとめる成長戦略に集約されるが、最終的にどんな中身になるのか、予断を許さない。

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