民主党もとうとう開き直ったか、それとも一種の自虐なのか。党のウェブサイトに、こんな文字が躍った。
「とことん話し合ってみたい。何がそんなにダメだったのか?」
ダメだという自覚はあったのか――という話はともかく、これは民主党が2013年5月11日に開催するという「公開大反省会」の告知だ。
「元総理・元大臣の、逃げられない夜」
一般公募の30歳以下の若者200人が、菅直人・元首相、枝野幸男・元経産相らと意見を交わすという、よくあるといえばよくある企画だが、ユニークなのはそのやり方だ。参加者は挙手などではなく、持参した携帯電話を使い、匿名で質問やコメントを壇上の議員たちに送ることができる。
民主党が置かれている厳しい立場、また政治的混迷に見舞われた菅内閣の実績も考えれば、相当厳しいツッコミが来ることは十分予想できる。イベント告知ページでも、
「30歳以下の若者×元総理・元大臣の、逃げられない夜」
などといささか煽るようなサブタイトルも付けられており、これではまるで「叩いてください」と言わんばかりだ。すでにツイッターなどでは、タレントのフィフィさんが、
「(※編注:何がダメのか)議論するまでもなく…」
とつぶやいているのを始め、
「『何がそんなにダメだったか』を人に聞かないと判らない事だろ。そういうことだよ」
「捨て鉢というか、迎合というか、とにかくむちゃくちゃやな」
と、かなり辛辣な反応が目立つ。
「中途半端ではなく、自らをさらけ出しました」
とはいえ、民主党サイドはやる気十分だ。主催に当たる民主党青年委員会の三神尊志副委員長(さいたま市議)は、「相当厳しい質問が来ることが予想されるが……」との問いに、
「まさにそんな厳しい質問に応えていくことが必要なんです」
と断言した。「あおり気味」な告知ページについても、
「まずは興味を持ってもらうことが大切。そのために中途半端ではなく、自らをさらけ出しました」
と語る。
そもそも今回の企画は、不完全燃焼に終わった民主党時代の政権運営が「何が難しかったのか」を、若い世代に説明したいという思いから立ち上げられた。異例の「匿名OK」という仕組みは、「こうした場に慣れた人だけでなく、より多くの人に、『本音』の質問をしてほしい」という趣旨からだという。「『上から目線』ではなく、若い人たちと対等の目線で国家運営を考えたい」と三神さんは話す。
なお、参加人数は先着200人を予定していたが、予想を上回るペースで応募が集まっているといい、参加枠拡大も現在検討中だという。