現地時間2013年4月15日、米ボストンマラソン会場で爆弾テロ事件が発生し、8歳の男児を含む少なくとも3人が死亡、100人以上が負傷した。
爆弾はゴール付近の沿道に仕掛けられ、1度目の爆発に続いて、すぐ近くで2回目の爆発が起き、一帯は阿鼻叫喚の騒ぎに。
150メートルほど離れて2つの爆弾が
爆発の瞬間は、ボストンマラソン取材に訪れていた多くの報道陣によりカメラに収められていた。米ニューヨークタイムズなど各メディアの報道を総合すると、爆発が起こったのはマラソンが始まってからおよそ4時間後、市民ランナーが続々とゴールインを果たすタイミングだった。
爆発は、ゴールラインから見て向かって右側の沿道で起こった。まずはゴールにほど近い位置で、1度目の爆発が。大砲のような爆音と白煙があたりを包み、一帯が混乱に陥る中、約13秒後、約150メートル離れた沿道で、第2の爆発が発生した。
この爆発で8歳の男児を含む最低3人が亡くなったと見られ、また150人近くが手当てを受けている。さらにCNNなどは、この爆発で手足を失う重傷を負った人が、少なくとも10人に及ぶと伝えている。日本人の被害は現在確認されていない。
現地から配信された写真を見ると、被害者の流血で石畳が染まるなど、かなり凄惨な状況がうかがえる。爆弾は比較的爆発力自体は弱いものだったと見られるが、「散弾銃のように」破片が周囲に飛び散るように作られていたとの情報もある。
ボストンマラソンは1897年以来続く世界一歴史のあるマラソン大会で、毎年多くの参加者を集める。今年も、2万7000人以上が出場していた。
開催日は「愛国者の日」、反オバマ派か?
オバマ大統領はただちに会見を開き、爆発を引き起こした人物には「法の裁き」を与えると声明を発した。米国内では何者かによるテロとの見方が強まっている。
犯人はいったい何者か? 16日、ワイドショー「とくダネ!」(フジテレビ系)に出演したニューズウィーク日本版・元編集長の竹田圭吾さんは、現時点では断言できないとしつつ、米国内の反オバマ派による犯行の可能性を示唆した。というのも、ボストンマラソンはアメリカのいくつかの州で祝日とされている、アメリカ独立戦争が勃発した日「愛国者の日」を記念したものだからだ。米国内では銃規制などを巡り左右の対立が激化している。
一方で現地付近でサウジアラビア人の男が確保された、浅黒い肌の不審な男が目撃されたなどの報道もあり、日本時間で15日昼現在、まだ情報が錯綜している。