尖閣諸島の国有化にともなって中国からの観光客が激減するなか、少しでも訪日観光客を増やそうと、経済成長が続く東南アジア、とりわけインドネシアに注目が集まっている。
6%を超える経済成長率を背景に、富裕層が海外旅行を楽しむ機会が増えると期待されているためだ。
ガルーダ・インドネシア航空、1年で利用者2割伸びる
インドネシアの人口は世界第4位の約2億4000万人。今後、生産年齢人口が増加することもあって、高い経済成長が期待されている。世界銀行は、13年に6.3%の成長を予測している。
国外に出かけるインドネシア人も増えている。世界観光機構(UNWTO)の統計によると、09年には505万3000人だったが、翌10年には623万5000人に増えた。伸び率は23.4%だ。増加傾向は続いており、航空業界も活況だ。国営のガルーダ・インドネシア航空が13年4月12日に発表した12年度の決算によると、旅客数は前年度比19.6%増の2040万人で売上高は同12.1%増の34億7250万ドル。営業利益は特に伸び幅が大きく、82.0%増の1億6810万ドルだった。乗客あたりの単価が大幅に上昇していることがうかがえる。
同社は12年度だけで、全体の保有機材(106機)の5分の1にあたる22機を新たに導入。平均機体年数は5.8年で、「古くて危なそう」といった悪評も、今は昔になりつつある。日本路線関連では、13年10月に07年7月から運休が続いていた関西-ジャカルタ路線を復活させることが決まっている。