政府目標は「今後2年間で解消」
一連の親の異議申し立てを受け、緊急対策を打ち出す自治体もある。区の施設などを転用して認可保育所の定員を急きょ60人拡大(杉並区)、13年度補正予算で6億円余りを積み増すなど14年度までに定員を420人増やす(豊島区)などの動きが出ている。
政府の規制改革会議でも議論になり、3月21日の会合で「待機児童を今後2年間で解消」との政府目標を提言する素案を打ち出した。ただ、保育士の数や建物・庭の面積など認可保育所の設置基準について「国の基準は融通が利かない。人口も面積も違う東京と北海道が同じ扱いだ」(猪瀬直樹都知事)といった不満を背景に、設置基準を緩和するというのが、規制改革会議の議論でも大きな柱だったという。
先進例の横浜市でも、全ての需要を認可保育所で賄ったわけではなく、「駅周辺ビルの1室など便利だけど、まるでコインロッカーに預けるみたいで、子供の成長への影響が心配」(ある母親)との不満・不安もある。保育士が少なくて、保育中の事故も後を絶たない。安心して子育てできる環境への道のりはまだまだ険しそうだ。