保育所に入れない! 親たちの「怒りの反乱」相次ぐ 「待機児童」完全解消は2020年?

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   認可保育所に入れない「待機児童」の親たちが、自治体に次々に不服申し立てをして、注目を集めている。認可保育園の整備が追い付かない行政への母親たちの怒りの反乱だ。政府も対策を打ち出しているが、完全解消は7年後とされており、規制改革会議で前倒しの議論も始まった。

杉並区は2.6倍の競争率

   2013年の2月から3月にかけて、東京杉並区、大田区、足立区、目黒区、渋谷区やさいたま市、東大阪市など各地で、親たちの異議申し立てが続いた。例えば杉並区の場合、2968人の入所希望に対し、区の認可保育所の募集枠は1135人。実に2.6倍の競争率だ。

   認可保育所は国の基準を満たす保育士や一定の居室、庭などが確保され、補助も厚いので、フルタイムで働くある母親の場合、月額5万円程度で入れるが、認可外に行かざるを得なくなったら10万円にもなるという。「共稼ぎを前提に住宅ローンを組んでいるので、払いきれない」といった悲鳴が聞こえる。

   認可外でも、東京都などが補助金を出す「認定保育所」はあるが、ビルの一室で庭がないなど、保育環境が認可保育所に劣る場合がほとんどで、自治体の補助があっても、認可保育所に比べれば割高。そんな無認可保育所でも、入れればまだ良い方という実態もある。

   待機児童は主に都市部で問題になっており、厚生労働省のまとめでは、2012年10月1日現在、全国で4万6127人と、前年より493人減っただけ。都道府県別では東京1万105人、大阪5488人、神奈川4052人など。

   育児休業制度の整備で出産後も働く女性が増えているのに加え、リーマンショック後の景気低迷で共働きが増えたほか、地価下落もあって都心でも住宅が買いやすくなったことで若い世帯が増えたことなどから、大都市部の保育需要が拡大膨らんだという事情がある。自治体の努力で保育所が増えると、諦めていた人が応募し、却って待機児童が増えるという悪循環も指摘される。

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