イオンの先兵になったダイエー 都市部中心のヨーカ堂攻めきれるか

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   流通最大手のイオンが2013年3月末、約20%を出資するダイエーに対して株式公開買い付け(TOB)を実施し、子会社化することを決めた。筆頭株主の丸紅から24%を追加取得し、店舗運営や仕入れの一本化などで赤字が続くダイエーの再建を進める。

   子会社化でイオンの連結売上高は6兆円超となり、セブン&アイ・ホールディングスなど2位以下を大きく引き離す巨大な流通グループが誕生する。市場の縮小が続くスーパー業界で、規模拡大と効率化で生き残りを狙ったものだ。

物流や商品調達などの共通化でコスト競争力確保

   3月27日に東京都内で記者会見した岡田元也イオン社長はダイエー株の上場を維持し、従業員の雇用もイオンへの出向などで維持する考えを示した。しかし、老朽店舗の統廃合などのリストラを積極的に進め、それぞれが展開するプライベートブランド(PB)商品も「両方持っている必要はない」(岡田社長)とイオンの「トップバリュ」に集約する。物流や商品調達などの共通化でコスト競争力の確保を図る。

   ダイエーは1980~90年代に球団経営やホテル事業など多角化を進めたが、バブルが弾けて過剰債務に苦しみ、2004年に政府の産業再生機構の支援を仰いだ。2006年に丸紅が44.6%の株を取得して筆頭株主となり、2007年にはイオンが丸紅から株を購入して第2位株主となり、2社が協力して再生を目指してきた。

   しかし、岡田社長が「誰が責任者なのかはっきりしなかった」と語るように、2大株主の連携がうまくいかず、ダイエーはリーマン・ショック後の2009年2月期から4期連続で最終赤字を計上。近く公表される2013年2月期も40億円近い赤字になる見通しで、経営不振から脱するには程遠い実情だ。

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